護衛艦”かが”の改修
いずも型護衛艦のいわゆる(軽)空母化… 2019年末からいずも型護衛艦でF-35Bを運用するための改修がはじまっています。5年に一度実施する大規模な定期検査の実施にあわせて改修を行う予定となっていますが、呉を母港とするいずも型護衛艦2番艦"かが"も2022年3月からJMU(ジャパン マリンユナイテッド)呉事業所のドックで改修がはじまりました。
お尻を向けている"かが"
3月に入渠したときは艦首が陸側を向いていたのですが、今回の入渠は艦尾が陸側を向いています。これまでに何隻かの護衛艦がこのドックに入渠しているのを見たことがありますが、艦尾が陸側を向いているのを見るのははじめて。
工事の都合で艦尾側が陸地を向いているのでしょうか? 気分でいつもと違う向きで入渠することなんてありませんから(当たり前)、何かしら理由があるのでしょうね。
ひょっとしたら、下の2021(令和3)年度予算にある"艦首形状を四角形に変更"を今回の入渠で行ったりするのかな?
予算から見てみる
いずも型護衛艦でF-35Bを運用するための改修を予算から見てみます。
- 2020(令和2)年度予算:31億円
“いずも"にF-35Bの発着艦を可能とする部分的な改修を実施 - 2021(令和3)年度予算:203億円
“かが"に飛行甲板上の耐熱塗装など実施、F-35Bを安全に運用するため、艦首形状を四角形に変更 - 2022(令和4)年度予算:61億円
着艦誘導装置JPALS(Joint Precision Approach and Landing System)の取得、"かが"の航空管制室工事
2022年度予算にある"航空管制室工事"とあります。その航空管制室は艦橋後部にあります。
航空管制室に足場がつくられています。今回の入渠で2022年度予算に計上されていた工事が行われるのでしょうか。それとも定期検査の一環のものでしょうか。
“かが"の艦内の改修については米軍の協力を得て検証実験などを行い、人・モノの動線を検討した上で改修内容を確定することとなっています。その改修は次回2026(令和8年)度末からの大規模定期検査に合わせて実施される予定。海自最大の艦といっても、米空母と比較するととても小さないずも型護衛艦。そして空母の運用は旧軍の時代まで遡る海上自衛隊… 米軍の協力を得て、国を護るために最適な改修が行われることを期待します。
いずも型がF-35Bの運用能力を持つことで得る力、その力が抑止力としてのみ発揮されることが望ましいことですが、日本のまわりにはさまざまな考えをもった国が存在します。もしもその力が必要となったとき、現場がその力を遺憾なく発揮することができる環境となっていることを願うばかりです。
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