旧帝国海軍:戸坂取水場
県道37号線(白木街道)の戸坂千足付近にあるのがこの戸坂取水場。広島市東区にある戸坂なので「広島市戸坂取水場」はともかく「呉市戸坂取水場」とは? 戸坂から呉まで、30kmほどあるのではないかと思います。
呉鎮守府水道の戸坂水源地
ここはその名のとおり、呉市で使う水の取水場のひとつです。呉鎮守府水道のひとつとして築造されました。呉鎮守府水道は二河水源地にはじまり、軍港が大きくなるに伴ってより多くの水が必要になって本庄水源地が築造されました。そして太平洋戦争突入でさらに水の需要が増加、太田川から取水するために戸坂に水源地をつくりました。
もともと浄水場としての機能を持っていましたが、昭和61年に浄水場を廃止。その後昭和62年に取水場として再稼動をはじめ、現在に至ります。
呉のほうは決して雨も多くなく安定した水源が期待できません。そのため太田川に水源を求めたというのは理屈としてはわかりますが、それにしても凄い。そして、インフラの大切さをあらためて感じたのでした。
参考にした書籍など
- 呉市上下水道局 呉市水道のあゆみ
- JACAR(アジア歴史資料センター) Ref.C08010884500、呉海軍施設部 引渡目録(防衛省防衛研究所)
このページの公開日:2012.02.18