徳佐川橋梁(山口県山口市)
7月23日、山口県山口市の阿東徳佐中の徳佐川橋梁を見に出かけました。
日本に3つしかないラティス桁の鉄道橋梁
徳佐川橋梁は徳佐駅から北(船平山駅方面)に600mほど向かった場所にあります。山口線が津和野まで延伸された1922(大正11)年に沖田川に架けられた全長16mの決して長くない… というか、短い橋です。
山口線の徳佐といえば、撮り鉄的にはSLやまぐち号の有名な撮影地"徳佐S字カーブ"を思い浮かべるのではないでしょうか? この徳佐川橋梁はそのS字カーブの一部分となっています。
そんな徳佐川橋梁、意識していないと存在すら気づかないかもしれない橋梁ですが、実は日本に3つしかないとても珍しい橋梁です。
徳佐川橋梁が架けられた1922(大正11)年、当時は第一次世界大戦の影響で大型鋼板の輸入が難しくなっていました。加えて当時の日本は大型鋼板を製造する技術・設備を持っていません。そのため、インフラ整備や造船業に大きな影響がでていました。
そこで考えられたのがL型の鋼材(山形鋼)を互いを直角の格子状に組んだラチス桁の橋梁です。
ラチス桁の橋梁は1921(大正10)年前後から全国で架橋されました。1954(昭和29)年には50を数えるほどになっていましたが、現在残っているのは山陰本線の竹野川橋梁、田君川橋梁、そしてこの徳佐川橋梁の3つのみとなっています。
そんな徳佐川橋梁は2012(平成24)年、土木学会から選奨土木遺産に選定されています。
こうやってあらためて細部(?)を見てみると、1本1本のL型鋼は決して太くも厚くもないですね。いくら適切に設計されて強度に問題ないことはわかっていても、この橋梁の上を列車が普通に走っていると思うとナカナカ不思議な感が(^^;。
この徳佐川橋梁、いつまでこのラチス桁で残るのかはわかりませんが、架けかえる理由もないように感じます(構成するパーツが多いのでメンテとか大変なのかな?)。ただ、地震や豪雨といった災害で被害を受ける心配はあります。そんな被害を受けることなく、これからも列車の重みに負けずに活躍してください(^-^)。
おまけ:徳佐駅を出発するDLやまぐち号
今夏の"SLやまぐち号"はディーゼル機関車の"DLやまぐち号"で運行されています。SLでないことを残念と考える向きも多いでしょうが、ディーゼル機関車が客車を引くというのも"よいもの"です(^-^)。
そんな"DLやまぐち号"、見ることができればいいなと思っていたのですが、見ることができました(嬉)。個人的にディーゼル機関車の力強さはお気に入りなのですが、見る機会は多くありません。奥出雲おろち号も今年までですし、ディーゼル機関車も減っていくんでしょうね。
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