鮎原剣神社穹崇橋(山口県岩国市)
三連休最終日の3月22日、岩国市へ石造りのアーチ橋を観に出かけました。COVID-19のために出かけるのも気を使います。屋外で人があまりいないところを探していたら、こんな素晴らしい橋が岩国にあるなんて(嬉)。
穹崇橋(きゅうそうばし)
”石造りのアーチ橋”… とても惹かれるものがあります。以前に世羅の眼鏡橋を見に出かけました(もう10年前とは(汗))。しかし、ドライブで訪れるには近いところをずっと見つけられずにいたのです。
しかし、何気なくページをめくっていた中国新聞社から2か月に一度送られてくる情報誌(フェニックス)で発見。しかも場所はお隣山口県の岩国市、これは行くしかありません(笑)。
橋を渡ったところに説明があります。
鮎原剣神社穹崇橋は、大正6年(1917)年に完成、35個の迫石でつながれた半円に近い形状の石造アーチ橋である。
硬い石材を精密に加工し、迫石として組み合わせるのは極めて難しいが、当橋はそれに成功した全国でも珍しい花崗岩のアーチ橋である。加えて、橋面上部が迫石のみでできていること、参道をつなぐ橋として川に対して斜めにかけられていることが特徴であり、高度な技術力が用いられている。
神社の庭園には飾り物として、形だけアーチとした橋を置くことがあるが、当橋は参拝者が川を渡るための本格的なアーチ構造の橋であり、デザインにおいても信仰上の理想である弓を描いたような美しいスタイルをしている。
当橋についての資料として、橋を含む庭園整備の費用や過程を記録した『神苑ニ関スル経費明細簿』、社格向上を願い出て、社殿、橋などの工作物についても説明をした『神社昇格願書』が残っており、当時の情報を今に伝えている。
日本橋梁史において、20世紀初頭には既に鉄筋コンクリート橋が建造されており、その時代にかけられた数少ない石造アーチ橋としえ、貴重な土木遺産である。
平成30年4月 岩国市教育委員会
そう、説明にあるようにこの穹崇橋は飾りではなく、実際に参拝者が川を渡るための橋。単純な橋にすることもできたのでしょうが、こういった凝ったものになっているのがすごい。
昔の建築物って、(いい意味で)必然性がないのに無駄に凝っているのがいいです。遡れば軍用水道となる広島市(例えばコレ)や呉市の水道施設(例えばコレ、コレ)なんかもいいですよねぇ。
道から橋を撮り、川に下りて橋を撮り、橋を渡って橋を撮り、再び戻って橋を撮り… 傍から見ると、"あのおじさんは何をやっているんだろう"、"何が面白いんだろう"と思われたに違いありません。でも、いいなぁ〜、この穹崇橋。
これから桜も咲いてきそうでした。この橋と絡めて撮りたいところですが、そんな時期になると来訪者もでてくるんだろうな。来年以降におあずけですね。
鮎原剣神社へ
鮎原剣神社は武道の神様だそうです。せっかくなので神社へ行ってみましょう。
参道は穹崇橋からまっすぐ続いています。橋を渡り小さな鳥居を過ぎると、目の前に現れる “マジですか(+_+?" と呟いてしまう急こう配な階段。
写ってはいませんが、階段の右のほうには車が通れるほどの幅がある坂道があります。しかしその坂道も私には “滑り台ですか?" と感じるほど急こう配。落ち葉もあって本当に滑りそうなので階段でのぼりました。
派手なものではありませんが、雰囲気があります。その理由は社叢に違いありません。市指定文化財に指定されているスダジイとヤブコウジの群集、またここまで向かうまでのシイノキの森林がそう感じさせてくれるののでしょう。神社について特別な意識がない私でも感じました。急な階段をのぼった甲斐があったというものです。
これからも"石造りのアーチ橋"へ
広島と違って九州はとても多くの"石造りのアーチ橋"があります。COVID-19が落ち着いたあとに出るであろう経済対策のひとつに高速道路無料化があります。期待しちゃうなぁ〜。
しかし、九州だと日帰りで訪れるのは容易ではありません。ツマと調整して今週は私が「もか」の世話をする、来週はツマがする、みたいな感じでしないと難しい。でも、行きたいなぁ〜。
そのためにもCOVID-19が落ち着くことを、効果のある薬ができることを願うばかりです。
ディスカッション
コメント一覧
地元では、たいこ橋と呼ばれており、穹崇橋という名前は最近になって知りました。
たしかに橋の石に穹崇橋という名前は刻まれていますが、私だけでなく、おそらく地元のほとんどの人が、正式な橋の名前を知らなかったと思います。
コメントありがとうございます。
“たいこ橋”、地元の方々に親しまれて呼ばれているのですね(^-^)。中国地方では決して多くない石のアーチ橋、これからも残って、地元の方にはもちろん、私のような他県の者からも思われる橋であってほしいです。