海上自衛隊:護衛艦「いせ」が第四船渠に入渠
昨年2011年3月に就役した護衛艦「いせ」が整備のために入渠したということを知り、3月10日に呉に出かけてきました。艦に限らず海に浮いている乗り物の喫水下を見る機会なんてそうそうありません。しかもその艦は「いせ」・・・ 行かないと損でしょう(笑)。
IHIマリンユナイテッド
IHIマリンユナイテッド呉工場・・・ 歴史をさかのぼれば呉海軍工廠からはじまることは言うまでもありません。「いせ」が入渠したのも歴史がある第四船渠。
「いせ」が入渠しているのが第四船渠、上写真で左側に(ちょっとわかりにくいですが)別の船がいるのが第三船渠、さらにその左の構造物が大和を建造した元造船船渠。現在は埋め立てられていて構造物だけ残っています。
それがこちら。「大和のふるさと」です。
これらの写真は「歴史の見える丘」から渡ることができる歩道橋から撮ったものです。この日は私のほかに先客がもう一人いらっしゃっていました。ネットでも一部で話題になっており、やはり「いせ」の初の入渠は(私もその一人ですが)興味のある向きが多かったようですね。
「いせ」は基準排水量が13,950トン / 全長197m / 全幅33mと大きな艦ですが、見ての通り船渠はまだまだ余裕があります。ちなみに大和は基準排水量が64,000トン / 全長263m / 全幅38.9mというサイズ。第四船渠にはこの大和が入渠していたわけですから、余裕があるのも当然です。
ここまでIHIマリンユナイテッド呉工場のことばかり記している感が強いですが、肝心の「いせ」を別の場所から。
「歴史の見える丘」の上の歩道から。この場所、普通に撮るとこのように電線が思いっきりかかります(苦笑)。歩道のフェンスの隙間からレンズを出して・・・ なんてことはデジイチではできません。コンテジ持ってきておけばよかっかも。
入渠しているということで通常では見えない喫水下まで見えます。フィンスタビライザー(航行時の揺れを抑える減揺装置のひとつ。能動的に動きます)がちょこんとついてます。後ろにはビルジキール(これも航行時の揺れを抑える減揺装置のひとつ)があり、その後ろにこの写真ではわかりませんがさらにフィンスタビライザーがもうひとつあります。大きさが想像しにくいので別の写真でトリミングしたのが下のもの。
クレーンに乗っている人と大きさを比較できます。ひとつの「モノ」としてみると大きいですが、この「いせ」の大きさと比べるとまったく大したことありません。しかし、「いせ」のサイズでフィンスタビライザーが効果的に働くとかなり揺れが少ないらしい。これにより悪天候下での洋上におけるヘリ着艦などがこれまでの艦よりも容易になるのでしょう。
基地見学時には見ることができなかった「いせ」の上甲板。後部エレベーターが下がってます。艦尾のスクリュープロペラも見えてたりします。このサイズの写真ではわかりませんが、とても多くの人が作業していました。
ところで、入渠するときはドックに入ったあとに水を抜くわけですが、よく土台のうえにちゃんとはまるなと(^^(^^;。綿密な計算がされていることと思うのですが、地味にすごいことだと思います。
おまけ:むらさめ型護衛艦「いなづま」(DD-105)
こちらは帰宅する途中で見かけた「いなづま」。航行している艦を見る機会は少ないので運がよかったです(^-^)。
参考にした書籍・資料
- JACAR(アジア歴史資料センター) Ref.C08010961600(第7画像目)、呉海軍工廠 引渡目録 1/8(防衛省防衛研究所)
このページの公開日:2012.03.17