安芸の国から

安芸の国に暮らすおじさんのお出かけ記録です

旧帝国海軍:陸奥記念館

山口県の周防大島にある陸奥記念館に出かけました。実は以前周防大島に出かけたときに近くまできたことがあるのですが、その頃はこっち方面に今ほどの興味は持っていなかったこともあり中に入ることはなかったのです。この日は天気もよかったので、ドライブの目的地として出かけたのでした。

陸奥記念館

この陸奥記念館、周防大島の旧東和町にあります。大島大橋からの道のりでは、もっとも遠いところにあるような感じ。実際、大島に入ってから時間が結構かかったような気がします。途中、道の駅「サザンセトとうわ」で食事をして現地へ向かいました。

陸奥記念館 外観

陸奥記念館 全景

そんなわけで到着した陸奥記念館。最初に陸奥についての説明を少し・・・ 陸奥は長門型戦艦の2番艦として1918年(大正7年)6月1日に起工、1921年(大正10年)11月22日(10月24日と書かれているものもあります。どちらだろう?)に竣工されました。陸奥は連合艦隊旗艦を務めたり、日本の力の象徴として僚艦長門とともにとても国民に人気があったそうです。

第二次世界大戦時には真珠湾攻撃の機動部隊援護、ミッドウェイ作戦支援やソロモン作戦支援部隊としてトラック島へ進出したりしましたが、米軍と直接戦火を交えることはありませんでした。その後柱島泊地に回航されていましたが、1943年(昭和18年)6月8日に爆沈。総員1471人のうち1121人が亡くなってしまいました。

陸奥記念館 内部

陸奥記念館 内部全景1
陸奥記念館 内部全景2

陸奥記念館の内部です。外観から想像していたよりも広く、そして展示品も多くて少しびっくり。そんな展示品ですが、壁に沿う形で「大正時代遺品」「昭和初期遺品」「第二次世界大戦遺品」「引き揚げ品」が、他にも遺族から寄せられたという資料などが展示されています。

そんな資料を見ていて感じたのは私がこれまでに出かけた阿多田交流館回天記念館と少し雰囲気が違うということ。それは、回天が必死の兵器だったからでしょうか。

陸奥の副砲、艦首、推進機など

陸奥副砲など

こちらは駐車場から少しあがった丘にある引き揚げられた陸奥の推進機(スクリュー)や副砲、艦首などです。比較物がないので想像ができないですが、推進機は直径4.2m、翼面積72平米あり、その重さは11トン(驚)。艦首もホントに最先端の部分だけにもかかわらず、その重さは16トン(驚^2)。本当に大きな戦艦だったんだろうなって感じます。

この丘には陸奥之碑とともに予科練甲飛11期生戦没者を慰霊する若鷲の碑があります。いろいろな考え方はあると思いますが、私的には国を護るために散っていった方々には感謝しないといけないと思います。

戦艦陸奥が沈んだ桂島沖

陸奥が沈んだ海

陸奥が沈んだ柱島沖です。

上にも書きましたが、陸奥は1943年(昭和18年)6月8日に爆沈しました。当時行なわれた査問委員会の調査では、当初は1941年(昭和16年)に採用されていた新式対空弾「三式弾」が自然発火したのではないかと考えられました。しかし三式弾を使った実験、および生存者の証言から三式弾の疑いは晴れ、内部の人為的要因によるものと推定さました。

話は少しそれますが、この陸奥のように停泊しているときに発生した火災・爆沈によって多数の死傷者を出した事故が1905年(明治38年)の軍艦「三笠」の爆沈以降8件発生したそうです。このうち1905年(明治38年)の三笠から1918年(大正7年)の軍艦「河内」の14年間で7件発生しており、その後は1943年(昭和18年)陸奥の爆沈まで25年間発生することはありませんでした。

明治から大正にかけての14年間で7件発生していた事故が25年もの間発生しなかったのは、査問会の調査によりこういった事故の多くが当時考えられていた弾薬の自然発火などではなく、人為的要因によって発生するものという前提に立ち、その認識を持って対策が行なわれたためとのこと(参考文献:防衛省防衛研究所 戦史研究年報 第9号(2006年3月) 軍艦爆沈事故と海軍当局の対応 ─査問会による事故調査の実態とその規則変遷に関する考察─ / 山本政雄)。海軍にとっては面目まるつぶれという感がありますが、こういった対策については自分たちの仕事の中でも考えていかなければいけませんね。

話がそれてしまいましたが、この陸奥記念館について最後に少し。インターネットで陸奥記念館を紹介しているページの多くで内部が撮影禁止と書かれているのですが、私が2009年9月に出かけたときは撮影OKでした。撮影禁止といった掲示もなく、入り口でチケットを売っている方にも確認しましたが撮影はOKとのこと。規則がかわったのかどうかはわかりませんがご参考まで。 もっとも、お手紙などプライバシーにかかわるものも多くありますので、公開するときは配慮しましょう。

このページの公開日:2009.10.08

コンテンツメモ

  • 訪問日:2009.09.13
  • 場所:山口県周防大島町
  • 行程:山陽道 - 国道437号
  • EOS 40D + SIGMA 18-125 F3.8-5.6 DC OS HSM

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